2016年度 森林・林業白書

2017/6/1(木)

 

先週末、農林水産省からブログタイトル公表。

公認会計士 佐藤がまとめておきます。

CLT(直交集成板)

我が国は中高層の建築物や低層の非住宅分野では、建物の木造率は低い状況。

 

欧米諸国では「CLT(Cross Laminated Timberの略)(直交集成板)」という新たな木材製品を建築物の壁や床等の建物に活用して木造の共同住宅、オフィスビル等の建築が進められています。

 

我が国においてもCLTの普及を契機として、こうした木造の中高層建築物等の建築が進み新たな木材需要が創出されることに期待。

木材輸出

中国等における木材需要の増加や韓国におけるヒノキに対する人気の高まり円安方向への推移等を背景に2013年以降増加、2016年の木材輸出額は前年比4%増の238億円。品目別に丸太が85億円、製材が38億円、合板等が49億円これらで全体輸出額7割占。

花粉対策

国民病とも言われる花粉症対策が課題。花粉の発生を抑える技術について開発や導入の取組が進められている。例えばスギの雄花だけを枯死させる菌類(Sydowia japonica)を活用したスギ花粉飛散防止剤の開発。

鳥獣被害

野生鳥獣の生息域の拡大等、シカやクマ等の森林被害が深刻化。2015年度の野生鳥獣による森林被害の面積は、全国で約8千ha。このうちシカによる被害が約8割占。

 

シカによる被害として造林地の植栽木の枝葉や樹皮が被食されることにより生長阻害・枯死等発生。立木の樹皮が剝がされ立木の枯損や木材価値の低下等が。

参考 CNF(セルロースナノファイバー)

奈良の法隆寺にある五重塔。世界最古の木造建築。この丈夫さは木材を構成するセルロースという繊維に由来。木材からセルロースの繊維だけを抽出できれば。

 

セルロースの繊維は髪の毛のおよそ100分の1の太さ。直径が数ナノメートル(10億分の1メートル)なので「セルロースナノファイバー(CNF)」と呼ばれています。

 

似たようなものに炭素繊維(カーボンファイバー)があり航空機部品など利用。炭素繊維は軽くて強いですが高価。日本に豊富にある木材から安くCNFを作ることができれば。

 

CNFは鋼鉄の5倍の強度という利点だけでなく太さがナノレベルなのでプラスチックに混ぜても透明のまま。熱を加えても伸び縮みしないので自動車部品にも使えると期待(経済産業省HPより一部抜粋)。

木材自給率

国産材供給の減少と木材輸入の増加等で2002年には過去最低の18.8%。2015年は円安による調達コスト増加等で輸入量減少、一方で国産材供給量増加で33.2%(木材自給率5年連続で上昇)。

まとめ

CLTで国産の木材利用が進んでほしい。今後国内は人口減少で住宅需要は伸び悩むのでは。一方、花粉飛散量は地球温暖化の影響とか。個人的には、ポスト炭素繊維と呼ばれるCNFの利用が進み拡大へ。

 

最後は農産物輸出同様に日本の高級ヒノキなど付加価値のある木材輸出で活性化を。

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独り言

このところ、秋田県内でクマの被害が続出。自然環境の悪化に警鐘、人間との共生は難しい。その他各地で鳥獣被害が相次ぎ農産物被害額も深刻。ジビエ料理等の開発も話題ですが、根本から考え直さないと解決策が見えずでは。子供の頃、クマに襲われた話は聞いた覚えがなかったような。

 

CNFをまとめていたら大学時代の作物学研究を思い出しました!

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