日本産品の海外販路拡大

政府は農林水産物の輸出に力を入れるも伸びが鈍化。

 

 

【図表】農水省データを基に公認会計士 佐藤作成

 

昨年は8,000億円超えも2019年に目標としている1兆円には課題が。

輸出の取組を日本経済新聞夕刊(2018/6/25)より一部抜粋しておきます。

静岡紅茶

静岡で紅茶を製造販売する静岡紅茶(静岡市)は英国への製品輸出を夏にも始める。同社の紅茶は17年に英国の国際的な食品コンテストで最高位の三つ星に輝いた。3~5年後に1㌧の輸出を目指す。

特徴

取締役は「日本産には高品質のイメージがある」と語る。茶葉は無農薬栽培の日本産品種「べにふうき」を使い、すべて手摘みする。丁寧な製法が生み出す高い香りが現地でも評価されている。

事例:甲州ワイン

09年度から地元ワイナリー、甲府商工会議所などが中心となって欧州連合(EU)への輸出プロジェクトを開始。一大市場の英国でPRを続けてきた。10年度に2千本だったプロジェクトの輸出量は、17年度に18倍の3万6千本に増えた。

戦略

ワイン産地としてはフランスやイタリアが名高いが、英国はワイン国際権威の協会が本部を構えるなど、ワインの評価を決める人材が集う。甲府商議所の担当者は「英国は流行発信地。現地の審査会で賞を取った時はすぐ各国から電話やメールが来た」と語る。

チューリップ

本場を目指すのは食品だけではない。チューリップの球根出荷量が全国一の富山県は、県園芸研究所が開発した3品種の栽培・販売でオランダの種苗会社と許諾契約を結んだ。

まとめ

各本場で最高位の賞を受賞することにより、認知度が高まり、輸出拡大に弾みが。上記の例が増えて、一番の狙いである農業者の所得向上に結びついてほしいですね。

 

独り言

TPP等では関税撤廃で守りばかりが報道されていましたが、攻めの農業としての輸出がどこまで伸びるか。政府は、本気で輸出をやっていくと手を挙げた生産者のために今夏中に特設サイト公開予定。

 

農家の皆さんは生産だけで手一杯との声も、せっかく優れた物を作っても煩雑な手続きはNG。そこをなんとかサポートする取り組みが重要。

参考 農産物輸出額上位

 

国名 農産物輸出額(2013年)
米国 1,477億ドル( 1位)
オランダ 909億ドル( 2位)
ドイツ 840億ドル( 3位)
ブラジル 839億ドル( 4位)
フランス 748億ドル( 5位)
中国 465億ドル( 6位)
スペイン 457億ドル( 7位)
カナダ 450億ドル( 8位)
ベルギー 442億ドル( 9位)
イタリア 433億ドル(10位)
日本 31億ドル(60位)

EU加盟国は、域内貿易含む。出典FAOSTAT

参考2 TPP輸出戦略

TPPでは農林水産物の輸入の関税撤廃ばかり話題でしたが、逆に海外へかけられている日本の農林水産物の関税が撤廃されますので輸出のチャンスが広がります。

 

品目 輸出先 現行の関税率 撤廃時期
コメ マレーシア 40% 11年目
牛肉 カナダ 26.5% 6年目
みそ ベトナム 20% 5年目
醤油 メキシコ 20% 即時撤廃
ソース混合調味料 ベトナム 20% 5年目
チョコレート チリ 6% 即時撤廃
ブリ・サバ・サンマ ベトナム 18% 即時撤廃
ホタテ メキシコ 20% 10年目
サケ メキシコ 20% 即時撤廃
タラ、スケトウダラ ベトナム 18% 即時撤廃
干しのり ペルー 9% 即時撤廃

【出所】農林水産省資料より作成

 

上記はほんの一部を取り上げてみましたが、TPP発効でビジネスルールが変わるということです。日本政府も海外に向けた支援を本格化していますので、チャンスを生かして所得増加につなげてほしいですね。

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