国産米の取引価格上昇を受け、値ごろ感から豪州産米に脚光。
日本経済新聞(2019/1/12)より一部抜粋しておきます。
コメ輸入の経緯
日本は1993年のウルグアイ・ラウンド貿易交渉を受け、年間77万㌧(うち主食用は約10万㌧)のコメ輸入枠を設けた。
背景
国産米が高値になると割安な輸入米が増えるのが一般的になった。
豪州産コメ
国産米が豊作で安かった2014年度は豪州産の輸入量は少なかったが、18年度までに国産米の取引価格は4割上昇。輸入量は55倍の3万㌧超に増えた。主食用輸入米でのシェアは1割から3割へ上がり米国産に次ぐ2位となった。実施中の18年度入札でも3割を維持している。
【出所】日本経済新聞
TPP11発効
日本は豪州産米に特化した輸入枠(最終的に年8400㌧)を設けた。この結果、主食用のコメ(各国産の総量)は1割多く輸入できるようになる。
TPP離脱の米国動向
米国はTPPで7万㌧の日本向けコメ輸出枠を得るはずだった。現在は日米の新貿易交渉でコメの輸出増を狙う。
まとめ
外食産業は人件費上昇、原材料費の調達コスト削減へ。今年10月に消費増税10%。飲食料品の軽減税率8%あるも外食は10%。果たして今後どの様な影響が?豪州産はコメだけでなく、肉もTPP発効で輸入増へ。
独り言
ついにおコメまで外国産の波が押し寄せてきたという感が。外食産業のみならず一般の消費者向けに一部のスーパーの店頭にまでとは。ごはん党として負けるな国産米、消費者の選択肢にかかっている!
参考 日本農業を取り巻く環境
①農業産出額の減少(ピーク時は11.72兆円、直近9.3兆円)。
②従事者の高齢化(平均年齢67歳)及び就農人口減少(直近175.3万人)。
③耕作放棄地の増加(富山県の面積に匹敵)。
農業骨太試算で農業人口2050年には100万人程度、現在の半減で3割が85歳以上。
TPP農業交渉結果
農林水産品で2594品目のうち2135品目で関税撤廃、関税撤廃率は約82%。
うち農産物重要5項目では594品目のうち170品目で関税撤廃、関税撤廃率は約29%。
TPP(環太平洋経済連携協定)とは?
TPPはモノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境等幅広い分野で21世紀型のルールを構築する経済連携協定。
TPP交渉の流れ
全てはトランプ米TPP離脱で修正をよぎなく、日本主導TPP11に。
2015年10月 | 日米など12か国TPP大筋合意 |
2016年2月 | 12か国TPP署名 |
2017年1月 | トランプ米TPP離脱表明 |
2017年11月 | 日本主導11か国TPP11大筋合意 |
2018年3月8日 | TPP11チリで署名 |
2018年4月24日 | メキシコTPP11議会承認 |
2018年6月13日 | 日本TPP11国会承認 |
2018年6月29日 | 日本TPP11関連法国会承認 |
2018年12月30日 | TPP11発効 |
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