TPP11 早期発効へ弾み

投稿日2018/5/21(月) 更新日2018/6/29(金)

 

5月18日にTPP11承認案が衆院通過。先日、参院で可決。

TPP11関連法案も本日、参院で可決。

公認会計士 佐藤がわかりやすくまとめておきます。

米国を除くTPP11発効へ

TPP11国内手続き完了、発効へ。

 

【出所】内閣官房HPより抜粋

 

TPP11発効はいつ?

新協定TPP11では6か国以上の手続き完了から60日後に発効。既にメキシコが手続き完了。農業国のオーストラリア、ニュージーランドなど発効に向け議会承認や法整備など国内手続きが本格化。早ければ年内の可能性が。

関税撤廃・削減で消費者恩恵へ

 

【出所】朝日新聞

参加希望国続々

タイ、韓国、台湾、インドネシア、コロンビア、EU離脱する英国などTPP参加に関心。

今後のポイント

(1)TPP発効に向け11か国は手続き滞りなく進められるか。

 

米国離脱で凍結項目は当初50あるとも言われていましたが22項目に。米国TPP復帰を考慮した修正内容。

 

(2)TPP離脱の米国は日本農業の市場開放をどこまで求めるか。

 

米中貿易摩擦。中国はトランプ米政権に対し農産品に高関税をかける報復措置を発表。今後、農産物輸入を増やすように日本との2国間交渉に本腰をいれてくるでしょう。中国問題及びTPPの恩恵を受けられないとして米国農業団体の声を反映させる必要が。

 

(3)TPP発効に関係なく日本農業はどこまで成長できるか。

 

TPP発効の有無に関わらず、国内農業強化が大事。農家は高齢化による離農者が増加。当事務所が次世代農業経営者に力を注ぐ意味がわかるでしょう。昨年7月の日EU・EPA大枠合意も考えると皆さんが思っている以上に環境は厳しくなる一方。

まとめ

日本主導TPP11ようやく発効の兆しが見えてきたという感じでしょうか。

 

関税の高い牛肉は38.5%が16年目9%になるので、以前TV出演した際、お得感大でどの番組でも取り上げていたのが印象的。

 

2019年10月は消費税率10%。軽減税率あるもTPP11発効されると関税撤廃による消費者恩恵VS消費増税が話題になりそうですね。

 

独り言

2015年10月5日大筋合意では、農産物の関税撤廃(撤廃率が約82%)の多さに驚愕。TV出演時、農業も完全競争時代に突入と発言したのが今でも鮮明に。TPP11発効で今以上に海外から農産物が多く入ってきます。あれから月日が流れ状況も二転三転、今度こそ弾みが付いて前進か。

日本農業を取り巻く環境

農業産出額の減少(ピーク時は11.72兆円、昨年末公表直近9.20兆円)。

従事者の高齢化(平均年齢67歳)及び就農人口減少(直近181.6万人)。

耕作放棄地の増加(富山県の面積に匹敵)。

 

農業骨太試算で農業人口2050年には100万人程度、現在の半減で3割が85歳以上。

参考 TPP農業交渉結果

農林水産品で2594品目のうち2135品目で関税撤廃、関税撤廃率は約82%。

うち農産物重要5項目では594品目のうち170品目で関税撤廃、関税撤廃率は約29%。

TPP(環太平洋経済連携協定)とは?

TPPはモノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境等幅広い分野で21世紀型のルールを構築する経済連携協定。

TPP交渉の流れ

全てはトランプ米TPP離脱で修正をよぎなく、日本主導TPP11へ。

 

2015年10月 日米など12か国TPP大筋合意
2016年2月 12か国TPP署名
2017年1月 トランプ米TPP離脱表明
2017年11月 日本主導11か国TPP11大筋合意
2018年3月8日 TPP11チリで署名
2018年4月24日 メキシコTPP11議会承認
2018年6月13日 日本TPP11国会承認
2018年6月29日 日本TPP11関連法国会承認
年内発効? 6か国手続き完了から60日後

 

農業プロフェッショナル・サービスNo.1

イメージ (5) - コピー - コピー

 

テレビ出演・外部講師・執筆等実績←こちら