2017/11/21(火)
TPP11大筋合意から1週間経過、交渉経緯が話題に!
日欧EPA交渉も後を追うように、年内最終合意に向けて動いています。
公認会計士 佐藤がわかりやすくまとめておきます。
関連記事
2017/11/13 TPP11大筋合意の今後
アベノミクス「新しいエンジン」始動へ
TPP11だけでなく日欧EPAも動き出します。
【出所】日本経済新聞
以前テレビで発言したように攻めの日本農業と守備体制はどこまで進んでいるのか問題。2つの大きな自由貿易協定が始動。日本農業が未だかつて経験したことのない関税撤廃の多さに怯むことなく立ち行けるか。
カナダが異議
日本政府がTPP11大筋合意を発表したので、漸く議論がまとまったものと誰しも思ったはずが、その後カナダ政府関係者がツイッターで「まだ大筋合意していない」と投稿。その後トルドー首相、安倍首相との会談も不協和音。
安倍首相激怒
「特定のテーマに関心があるなら考えるから言ってほしい」。安倍首相がトルドー氏の説得にあたっても、トルドー氏は反対の明確な理由を明かさなかったという。首相同行筋は「会談後、安倍首相は激怒していた」と振り返る(日本経済新聞11/14)。
各国の思惑
メキシコもカナダと同調?NAFTA(北米自由貿易協定)が背景に。TPP11大筋合意が米国とのNAFTA再交渉に影響が及ぶためとも。またベトナムは凍結項目に不満?
温度差
安倍首相はTPPを成長戦略の柱として、首席交渉官会合を何度も開催され、どうなっているんだというのが本音では。参加国は米国離脱でメリットが薄れた感があるのかどうか背景は不透明。
凍結項目3項目追加
TPP11では凍結項目が20項目で4項目が署名まで検討すべき事項としていました{①国有企業(マレーシア)②サービス・投資(ブルネイ)③労働(ベトナム)④文化(カナダ)}。しかし①②③の3項目が追加で凍結項目調整とのこと。
TPP11発効できる?
新協定では下記参考の見直しにより6か国の国内承認手続きが完了してから60日後に発効。GDP85%基準がなくなり、米国なきTPP発効の可能性が高まりました。
参考 前TPP発効要件
TPP協定第30章によれば①署名国(12カ国)が手続き完了すれば効力発生。②署名国で手続き完了しない場合、国内総生産(GDP)85%以上占める6カ国で手続き完了すれば効力発生(GDP米国約60%、日本約18%)。
参考2 農業を取り巻く環境
①農業産出額の減少(ピーク時は11.72兆円、昨年末公表直近8.80兆円)。
②従事者の高齢化(平均年齢67歳)及び就農人口減少(直近181.6万人)。
③耕作放棄地の増加(富山県の面積に匹敵)。
まとめ
TPP参加国は、12か国から11か国へ、2年前の機運はどこへ行ったやらという感が。一時は、漂流や消滅かと言われたものの復活、息を吹き返した矢先にちょっと待ったでは安倍首相激怒も一理。足並み揃わず、発効までの道のりは険しそうです。
独り言
各国の思惑それぞれ、国益を考えると足並み乱調で現実は厳しい?もし関税が撤廃したらとテレビ出演時、盛り上がっていたのが懐かしく(笑)
お知らせ
『JA金融法務』11月号 好評発売中!
必見!「公認会計士・税理士 佐藤宏章」記事掲載!
農業税務・最新トピック満載!
農業プロフェッショナル・サービスNo.1
テレビ出演・外部講師・執筆等実績←こちら