JA秋田おばこ不正会計報告

第三者委員会の調査結果が秋田県に報告されました。

公認会計士 佐藤がわかりやすくまとめておきます。

これまでの経緯

2018/3/28 あきたこまち値上JA秋田おばこ

2018/3/5 あきたこまちとJA秋田おばこ

2018/2/5 JA秋田おばこ不正会計処理

JA秋田おばこ累積赤字

当初56億円と言われていた累積損失は62億8千万円に上ると公表。なんと約6億円増加!

ずさんな会計

昨年夏に発覚。小さな問題が積み重なり大きな損失。

原因

2004年おコメの直接販売を開始した時点から会計帳簿不備のまま発覚まで不適切な会計処理を継続。必要な理事会等の審議がないなど内部統制の欠陥が一番の原因に。前組合長(故人)の指示があったとも。

農家の負担要請へ

おコメ60㌔あたり主食用米500円、加工用米300円の負担だけでなく野菜や肥料の手数料の値上げなど求めるとのこと。

農家の声

「JAに対する信用失墜。組合員に赤字の補填をさせるとはとんでもないことだ」「いい加減さに驚いた。役員が全責任をとって当たり前だ」と不満爆発。

未収金

コメ卸12億5千万円の未収金の回収は進んでいないとのこと。

自己資本比率

自己資本比率6%を8%以上にするというも、そもそも財務分析は、ずさんな会計では無意味。

まとめ

役員報酬カットなど損失処理は当然として、農家に負担を求めるとは残念。JA秋田おばこに関与した税理士や公認会計士はいたはずなのに2004年から2016年までのずさんな会計すら指摘できないとは。

 

当ブログに記載しているように40年以上続いたおコメの生産調整が見直しされるなど日本農業を取り巻く環境は厳しく。生産だけでなく、おコメの消費量は毎年約8万トンペースで減少。

 

独り言

不透明な取引実態(資金の流れ)が解明されたとは言えない。こんなことしてたら、農家やる人いなくなる!?またいつになっても農業は成長できず先細り。この一件が氷山の一角でないことを祈るばかり。

 

これだけ時間をかけての報告が、証拠となる書類が一部残っていないため調査に限界とか具体的に決まっていないことがあり、県からダメ出し。呆れてものが言えない!

参考 JA監査

農協改革で当ブログ記載済、JA監査が2019年度にスタート。上記は内部統制が有効に機能してません。今後、内部統制の整備がどの程度、構築できるのか?

参考2 農業協同組合

農業協同組合は、農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上を図り、国民経済の発展に寄与することを目的として設立された法人です。

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