TPP政策大綱改訂版

2017/11/27(月)

 

ブログのタイトルが話題に!

政府公表資料を基に公認会計士 佐藤がわかりやすくまとめておきます。

ハイスタンダード

米国TPP離脱で合意されたTPP11は、凍結項目あるもハイスタンダードを維持するものとしTPPとして取り扱うと明記。TPP11でTPPそのものが変わるものではないということです。

TPP等

TPP(TPP11を含む)と本年7月6日に大枠合意した日欧EPAをあわせてTPP等と明記。2年前に公表された総合的なTPP関連政策大綱に日欧EPAについて新たに盛り込むことで総合的なTPP等関連政策大綱へと改訂。

成長戦略の切り札

TPP11と日欧EPAに係る2つの大きな合意は、世界的に保護主義的な動きが広がりを見せる中、自由貿易の旗を高く掲げ続け、日本が率先して世界に範を示すもの。

 

【出所】日本経済新聞

2019年 輸出額1兆円目標

TPP等を通じ、農林水産品の輸出重点品目のほぼ全てで輸出先国の関税が撤廃。輸出環境の整備など強い農林水産業の構築を目指す。EUにおける日本産酒類など地理的表示GIを含めた知的財産の活用や新技術・新品種の開発促進など。

訪日外国人旅行者数

2020年4000万人、2030年6000万人目標。輸出の一方でインバウンド取込強化。地産地消を軸とした6次産業化の地域特産品創出など。

農政新時代

TPP等により、生産者の持つ可能性と潜在力をいかんなく発揮できる環境整備。

畜産・酪農強化

生産者の赤字補填率引き上げ(8割→9割)だけでなく、国産チーズ等の競争力を高める。原料面で原料乳の低コスト・高品質化の取組強化、製造面でコストの低減と品質向上・ブランド化等を推進と明記。

食の安全・安心

TPP等により、我が国の食品の安全・安心が脅かされることはないと明記。また輸入食品の監視指導徹底。特に残留農薬等の規格基準について、国際基準や科学的な根拠を踏まえた策定を行っており、引き続きこの取組を推進するとも明記。

まとめ

TPP等に関わらず、国内農業強化は必須です!

 

カロリーベース食料自給率(%)

日本2016年、他国2013年データより公認会計士佐藤作成

 

上記より自国の生産では足りずに輸入に頼っているのが現実。

 

日本農業を取り巻く環境

農業産出額の減少(ピーク時は11.72兆円、昨年末公表直近8.80兆円)。

従事者の高齢化(平均年齢67歳)及び就農人口減少(直近181.6万人)。

耕作放棄地の増加(富山県の面積に匹敵)。

 

農業骨太試算で農業人口2050年には100万人程度。現在の半減に。3割が85歳以上。

まとめ2

TPPでは農林水産物の輸入の関税撤廃ばかり注目でしたが、逆に海外へかけられている日本の農林水産物の関税が撤廃されますので輸出のチャンスが広がります。

 

品目 輸出先 現行の関税率 撤廃時期
コメ マレーシア 40% 11年目
牛肉 カナダ 26.5% 6年目
みそ ベトナム 20% 5年目
醤油 メキシコ 20% 即時撤廃
ソース混合調味料 ベトナム 20% 5年目
チョコレート チリ 6% 即時撤廃
ブリ・サバ・サンマ ベトナム 18% 即時撤廃
ホタテ メキシコ 20% 10年目
サケ メキシコ 20% 即時撤廃
タラ、スケトウダラ ベトナム 18% 即時撤廃
干しのり ペルー 9% 即時撤廃

【出所】農林水産省資料より作成

 

上記はほんの一部を取り上げてみましたが、TPP発効でビジネスルールが変わります。農業者はTPP発効に向けての準備を進めて欲しいということです。

 

農水産物に限らず、6次産業化による加工食品も攻められるのでメーカーだけでなく農業者も意識を高めて成長を望みます。

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2017/11/21  TPP11と日欧EPAの発効

 

独り言

2年前のTPP政策大綱の時は、TPPテレビ出演多数・セミナー・本の執筆などオファーが相次ぎ、ブログにまとめる時間すらありませんでしたが、2年後に実現(笑)

 

TPPテレビ取材時の消費者アンケートで国産農産物の人気の高さに驚いたことは今でも心に刻まれています。生産者の皆さんには大きな励みとなるでしょう。

 

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