遺言には3つの方式あり

2017/10/5(木)

 

遺言を確実に実現させるため厳格な方式が定められています。せっかくの遺言が無効にならないためには?相続の遺言について日本公証人連合会HPよりまとめておきます。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が紙に自ら遺言内容の全文(目録を含むすべて)を手書きし、かつ、日付、氏名を書いて署名の下に押印することにより作成する遺言です(すべて自書しないとだめで、パソコンやタイプライターによるものは無効です)。自筆証書遺言は自分で書けばよいので費用もかからず、いつでも書けるというメリットがあります。

 

デメリットとしては、内容が簡単な場合はともかく、そうでない場合には、法律的に見て不備な内容になってしまう危険があり、後に紛争の種を残したり、無効になってしまう場合もあります。しかも、誤りを訂正した場合には、訂正した箇所に押印をし、さらにどこをどのように訂正したということを付記して、そこにも署名しなければならないなど方式が厳格なので、方式不備で無効になってしまう危険もつきまといます。

 

また自筆証書遺言は、その遺言書を発見した者が、必ず家庭裁判所にこれを持参し、その遺言書を検認するための手続きを経なければなりません。さらに自筆証書遺言は、これを発見した者が自分に不利なことが書いてあると思ったときなどには破棄したり、隠蔽や改ざんをしたりしてしまう危険がないとはいえません。

公正証書遺言

公正証書遺言は、遺言者が公証人の面前で遺言の内容を口授し、それに基づいて公証人が遺言者の真意を正確に文章にまとめ公正証書遺言として作成するものです。

 

公正証書遺言は、家庭裁判所で検認の手続を経る必要がないので相続開始後、速やかに遺言の内容を実現することができます。さらに原本が必ず公証役場に保管されますので、遺言書が破棄されたり、隠蔽や改ざんされたりする心配もありません。公正証書遺言は、自筆証書遺言と比べて安全確実な遺言方法であるといえます。遺言者にとっては費用のかかることが難点と言えるでしょう。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言者が遺言の内容を記載した書面(自筆証書遺言と異なり自書である必要はないのでワープロ等を用いても第三者が筆記したものでも構いません。)に署名押印をした上で、これを封じ遺言書に押印した印章と同じ印章で封印した上、公証人及び証人2人の前にその封書を提出し、自己の遺言書である旨及びその筆者の氏名及び住所を申述し、公証人がその封紙上に日付及び遺言者の申述を記載した後、遺言者及び証人2人と共にその封紙に署名押印することにより作成されるものです。

 

上記手続きを経由することで、その遺言書が間違いなく遺言者本人のものであることを明確にでき、かつ遺言の内容を誰にも明らかにせず秘密にすることができますが、公証人はその遺言書の内容を確認することはできませんので、遺言書の内容に法律的な不備があったり、紛争の種になったり、無効となってしまう危険性がないとはいえません。

 

また秘密証書遺言は、自筆証書遺言と同じようにこの遺言書を発見した者が家庭裁判所に届け出て検認手続を受けなければなりません。

まとめ

遺言は、上記方式に従わない限り無効ということを肝に銘じなければなりません。それぞれメリットデメリットはありますが、もし自分だったらどの方式を選ぶか考えて見るのもいいかもしれません。ちなみに遺言は、満15歳以上になればいつでもできます。

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独り言

相続の相談は、非常にデリケートな問題。当然のことながら、人それぞれ抱えている事情は異なります。セミナーの後などは、個人的にちょっと聞きたいという方も少なくなく関心の高さに驚くことも。何れにしろ、生前から考えておく必要が。

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