2017/6/2(金)
植物工場の税負担が話題に。規制改革推進会議の公表資料を基に税理士佐藤がまとめておきます。
問題の所在
農地をコンクリートで地固めして生産性が高く、収穫量が多い植物工場を建設すると、農地法で農地と認められず、結果として固定資産税が高くなり、コストが上昇して競争力が低下しているとのこと。
背景
農林水産省の通知では「農地をコンクリート等で地固めし、農地に形質変更を加えたものは、農地に該当しない」とされている。
参考 農地法第二条
この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、・・・・。
規制改革推進会議による検討開始
新たな技術革新を活かした農業生産を支える多様な施設・設備の設置や運用を行う場合の農地法における取扱いについて検討するとのこと。
安定生産VSコスト
日本施設園芸協会の調査では、人工光型(太陽光を使わずに閉鎖された施設でLEDなどを利用)植物工場の約56%が赤字。黒字は約21%にとどまっています。
季節や天候に左右されずに安定生産の植物工場メリットよりも高コストが経営を圧迫。植物工場の補助金や税金軽減も大事ですが経営を成長・発展させてほしい。
①高単価の付加価値ある品目を栽培できませんか
②キャッシュ・フロー経営をもっと意識できませんか
③地方創生の一環で空き店舗等の地域資源を植物工場に活用し雇用創出できませんか
付録
2015/4/8 農業 とうきょうサラダ
まとめ
植物工場は、自分が農学部在籍時からトレンド。税負担もそうですが、設備投資(規模によっては億単位)を回収できるだけの農業経営がなされているのか。上記にあるようにほとんど赤字経営が多いのが現状。またLEDの開発及び生産技術の発達するも、コストが掛かり軌道に乗り所得向上につながるまで至難の業。
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オランダには農作物の栽培においてコンクリート敷を農地として認めないといった規制はないとのこと。
独り言
今回は農地に該当するか否かでしたが、税負担ばかりに注目が。赤字経営で撤退した場合、コンクリートから耕作可能な状態に戻すことも考慮に入れて。農地は国民の食料を生産する貴重な基盤として考えて!定義も必要ですが本来の目的に着目し柔軟な判断を。杓子定規ではいつまでたっても強化できない!
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