2018/4/5(木)
日本の農産物ブランド地理的表示GIが海外で悪用、偽物流通が問題に。
読売新聞(2018/4/3)より一部抜粋しておきます。
地理的表示GI悪用
農林水産省の調査では「神戸ビーフ」など17産地の偽物が海外サイトで見つかり、品目数は前年の4倍に上がっている。
市田柿
1個100円ほどで出荷される高級品で国内販売のほか台湾に年約30トンを輸出。
偽物が出回ると本物の市田柿の価値が下がる。早く偽物の販売を止めてくれないと安心して輸出できない。
西尾の抹茶
生産農家は「輸出が増えている中、商売のじゃまになる」と顔を曇らせる。
不正産品の多さに驚き
農林水産省は昨年6月~今年2月、海外の大手通販82サイトでGI産品に関連した地名を調査した。その結果、夕張メロン、松阪牛、大分かぼすなどの販売を確認。
中国のサイトが8割を占め、ブラジルや米国のサイトでも見つかった。
同省はほぼすべてが偽物と見ており、不正産品の総数は662点に上る。
まとめ
日本の農産物ブランドの海外人気の高さが証明されているも、いつになったらこの問題はなくなるのでしょうか?各国の相互承認が必要。地理的表示GI制度のあるEU等とは対応できるも、制度が確立していない国では難しいのが現状。農水大臣会見でも一件一件物によって違うので、その時その時その案件に応じて対応していくと。
独り言
地理的表示GIは日本導入時から当ブログで追ってきました。大学での知的財産セミナーやTPP等(TPP11含む及び日欧EPA)で重要とテレビでもお話した通り。
生産者の皆さんが、懸命に優れた農産品を送り出してもこれではひど過ぎ、何のための制度?のんびりした回答ではなく早急な対処を!
一番のポイントは農産物ブランド化で農家所得が増えるということです。
参考 地理的表示保護制度GI
地域で育まれた伝統と特性をもつ農林水産物のうち、その特性がその土地ならではの気候風土や文化などと結び付いている場合に、その結び付きを特定できるような名称(地理的表示)を知的財産として登録し保護する制度。
日本では、酒類は1994年に農林水産物等は2015年に地理的表示スタート。海外では既に100か国以上で同様の制度が導入。
日本側:神戸ビーフ、夕張メロン、西尾の抹茶など。
EU側:ゴルゴンゾーラ、アチェート・バルサミコ・ディ・モデナなど。
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