不作や有事に備えて保管する備蓄米が話題に。
日本経済新聞(2018/5/16)より一部抜粋しておきます。
政府備蓄米とは?
供給不足に備え政府が食糧法に基づき保管する。6月末時点で100万㌧が適正とされ、毎年20万㌧ずつ5年に分けて買い入れる。コメ不足による放出がなかった場合、5年の貯蔵が過ぎたコメから飼料米など主食以外の用途で民間に売却する。
記録的な凶作による1993年後半~94年前半のコメ不足が導入のきっかけだ。ウルグアイ・ラウンド交渉の妥結で義務的輸入(ミニマムアクセス)の導入も重なった。外国産米への警戒感から需給調整に対応できる枠組みも求められていた。
入札
備蓄米は新米の収穫前に、政府が買い取り量と価格を決めて入札を行う。年間購入量は20万㌧。18年産は4月まで5回実施し、落札量は合計11万7千㌧と予定量の6割にとどまる。17年産は4月時点で既に99%が集まっていた。集まりが悪いのは12年産以来だ。
背景
昨秋の悪天候によるコメの減収がある。補助金単価が高い飼料米へのシフトもあり、主食米は品薄気味だ。
備蓄米メリット乏しく
コメ価格は、17年産は60㌔1万5千円台と3年連続で上昇した。備蓄米の売り渡し価格の目安は60㌔1万2千~1万3千円台とみられる。市中で販売した方が高く、産地にとって政府への売却はメリットに乏しい。
まとめ
備蓄米は、消費者(飼料用、加工用、援助用)により鮮度の高い備蓄米を供給する観点から、原則5年の保管期間を3年程度に短縮。今後運営が見直しされるようです。
TPP11の輸入量の増加が国産の主食用米の需給及び価格に与える影響を遮断するため、輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れます。
独り言
昨年、天候不順によるコメの生育状況についてテレビ番組でコメント出演したのを思い出しました。田舎の我が家でも例年になく収量が減少という事態に。
TPP11で国産主食用米のこれまでの生産量や農家所得に影響は見込み難いと政府公表。
当ブログに記載しているように40年以上続いたコメの生産調整が見直しされるなど日本農業を取り巻く環境は厳しく。生産だけでなくコメの消費量は毎年約8万トンペースで減少。
生産者は、補助金単価が少しでも高い方に流れるのは当たり前。来年の参院選とコメの価格が関連なんてもってのほか、なんだかんだの結果巡り巡って消費者のコメ離れに結びつく。秋田県のJAおばこの一連の問題も然り。
参考 TPP11輸入枠
発効から3年間、豪州0.6万㌧。13年目以降、豪州0.84万㌧の輸入枠新設。
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