ゲノム編集で農作物の品種開発が変わりそうです。
日本経済新聞(2018/9/17)より一部抜粋しておきます。
夢のトマト栽培
茨城県つくば市にある筑波大学の温室。見た目は普通のトマトだが、血圧の上昇を抑えるアミノ酸が15倍も多く含まれている。ゲノム編集で開発した。「品種改良に強力な手法が加わった」。
ゲノム編集
従来の遺伝子組み換えに比べて格段に精度が高い。酵素のハサミでDNAを切り、狙った遺伝子の機能をなくしたり、新たな遺伝子を組み込んだりできる。
クリスパー・キャス9
開発した米仏の2人の女性研究者はノーベル賞の有力候補とされる。
農林水産物 従来の品種改良
交配を繰り返し、偶然現れた優良品種を選抜。さらに、育てて選抜するという作業を繰り返す。
ゲノム編集の利点
ゲノム編集を使えば、10年の期間を1年に短縮できる可能性がある。
ゲノム編集の実用化
ゲノム編集を使う品種改良の研究は急速に進み、技術は成熟してきたが、実用化はまだ遠い。この技術をどう扱うか、ルールが整備されていないからだ。
ゲノム編集の問題点
消費者の信頼を得ることだ。アンケートでは「良く理解できず何となくこわさを感じる」との回答が46%に達した。
まとめ
品種改良は長い年月がかかっているイメージがありましたが、実際自分が大学で作物研究しているときはそうでした。今や時短の時代。消費者の健康志向をキーワードにゲノム編集で夢のような農産物開発に注目が集まっていますね。
独り言
トマトだけでなくゲノム編集で収量の多いイネの開発や1.2倍あるマダイの開発など実用化に向けて進んでいます。自分の大学時代の研究と違い品種改良が短い期間で可能な時代となりましたが、消費者の安全性・信頼性が重要に。
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