米国大豆 輸入先の変貌

米中貿易戦争を背景に米国産大豆の輸出先が変貌を遂げ、国際的にも影響を及ぼしています。世界中が固唾を飲んで見守る中、その行方は?日本経済新聞の記事(2018/9/26)を一部抜粋しまとめておきます。

 

【出所】日本経済新聞

 

中国の大豆輸入量

年間1億トン超と世界の6割に達する。米国が7月に課した関税への対抗策で、中国が米国産に25%の追加関税を発動し、影響は如実に数字に表れた。

米国産大豆

中国向けが輸出の6割を占める最大の販売先。米農務省が毎週公表する農産物の輸出成約データによると、米国産大豆の8月の中国向け成約量は約13万トンと前年同月の10分の1に急減した。

その反動は何処へ

対照的に伸びが目立つのがEU 向けだ。8月の成約量は約108万トンと前年の2.9倍。中国を除くアジア・オセアニア(日本・台湾含む)も約156万トンと6割増えた。この結果、8月の米国産大豆の全成約量は約384万トンと前年を16%上回った。

報復関税の衝撃

輸出減に米国産の豊作予測も重なり、指標となるシカゴ相場は1ブッシェル8ドル強の安値圏にある。輸出減と相場安は米農家の収入減に直結するため、米国は中国向けが多かった米北西部の港積みの大豆を日本や韓国、台湾に売り込もうと懸命だ。

 

一方、中国はブラジル産に調達を切り替えた結果、EU と競合してブラジル産が米国産より割高になった。

中国 大豆高懸念

消費者物価指数(CPI)に占める比重が高い豚肉価格の上昇につながるからだ。大豆輸入価格が上がれば豚のエサになる大豆ミールも上昇。豚肉価格を押し上げ、インフレ懸念を増幅する。

日本への影響

ブラジル産の高騰は、日本でも豆腐用に調達する食品会社の収益を圧迫する。人為的にモノの流れを変える政策のひずみは消費者への負担になりかねない。

まとめ

日米貿易バトルについては、以前より当ブログでも度々取り上げてきましたが何の利益も生みません。事の発端はわずかでも、貿易の構図までも変えてしまう国際的な問題に進展。そして巡り巡って、つけは消費者の負担とは恐るべし。

独り言

大豆一つで激震。米中貿易バトルは一体どこまでエスカレートするのか。トランプ米大統領の発言に戦々恐々、いつしか我が国も難題を突き付けられる懸念が。

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