2017/11/13(月)
ベトナム・ダナンでTPP(環太平洋経済連携協定)署名11か国の閣僚会合で大筋合意。米国を除くTPP11発効に向け各国の思惑が残る形に。
公認会計士 佐藤がわかりやすくまとめておきます。
新協定の名称
包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定
Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership
CPTPPと略して使われています。
関税撤廃・削減で消費者恩恵へ
今回の大筋合意で政府公表資料を見る限り(米国TPP離脱で適用されない項目を除く)、農産品輸入枠の関税見直し・修正・凍結はなかったようです(農林水産品の関税撤廃率は約82%)。
【出所】朝日新聞
今後のポイント
(1)TPP発効に向け11か国は署名・手続き進められるか。
凍結項目は当初50あるとも言われていましたが20項目に。今回はカナダが異議を示したように、政府公表資料を見ると4項目で署名まで検討すべき事項が残っていたのには驚き。①国有企業(マレーシア)②サービス・投資(ブルネイ)③労働(ベトナム)④文化(カナダ)です。
(2)TPP離脱の米国は日本農業の市場開放をどこまで求めるか。
トランプ大統領初来日では、北朝鮮に時間を費やし2国間FTA(自由貿易協定)に具体的言及はありませんでした。TPPの恩恵を受けられないとして、今後は米国農業団体の声を反映させるよう動いてくるでしょう。
(3)TPP発効に関係なく日本農業はどこまで成長できるか
TPP発効の有無に関わらず、国内農業強化が大事。農家は高齢化で離農者が増加。当事務所が次世代農業経営者に力を入れていることがわかるでしょう。皆さんが思っている以上に環境は厳しいです。
TPP11発効いつ頃?
2017年11月11日 | TPP11大筋合意 |
2017年11月11日~ | 参加国が新協定の内容確認 |
2018年~ | 新協定の署名? |
参加国の議会承認 | |
2019年? | 6か国手続き完了、60日後に発効(今回見直し) |
2019年10月は消費税率10%。軽減税率あるも2019年にTPP発効?されると関税撤廃による消費者恩恵VS消費税の増税が話題になりそうですね。
まとめ
関税の高い牛肉は38.5%が16年目9%になるので、以前TV出演した際、お得感大でどの番組でも取り上げていたのが印象的。
米国TPP離脱で乳製品の輸入枠の見直し等あると思いましたが、ないようなので、今年7月の日EU・EPA大枠合意も考えると、田舎で親が酪農を営んでいたのでわかりますが、皆さんが思っている以上に酪農経営は厳しく。
独り言
2015年10月5日大筋合意では、農産物の関税撤廃(撤廃率が約82%)の多さに驚愕。TV出演時、農業も完全競争時代に突入と発言したのが今でも鮮明に。あれから2年の月日を経て未だ途上、状況の厳しさを痛感。
参考 農業を取り巻く環境
①農業産出額の減少(ピーク時は11.72兆円、昨年末公表直近8.80兆円)。
②従事者の高齢化(平均年齢67歳)及び就農人口減少(直近181.6万人)。
③耕作放棄地の増加(富山県の面積に匹敵)。
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