TPP11発効 日本農業の行方

2018年12月30日TPP11発効。

消費者が支える日本農業へ!

過去最大

未だかつて日本農業が経験したことのない規模と騒がれている農畜産物の市場開放。

2019年2月1日には日欧EPA発効。日本農業新時代への幕開け。

もっと現場に足を、さらに現場の叫びに耳を傾けて、衰退に歯止めをかけるべく発展を願うばかり。

国内農業の弱体化

ガットウルグアイラウンドから今まで多額の税金投入でも成長できず衰退の一途。公認会計士として監査法人時代、上場会社の会計監査で企業のコスト意識の高さや商品開発の現場を目の当たりにして、農業経営者は果たしてここまで意識していたのか?また農業団体も今になり農家所得向上に向け背中を押され慌てるように着手、一体今まで何を?

日本農業の課題

農業所得の不安定さが一番の要因

以前テレビでもお話しましたが、ITやドローン、植物工場などの農業はほんの一部にすぎない。また輸出に目を向けているのは、出荷団体や企業など提携がなされているところ。ようやく自治体も農家に目を向けて輸出に本腰。企業農業参入が3,030法人(2017年末現在)と話題。企業と農家との連携が増えているように、企業が牽引していくのでしょうか。

 

安全性

こちらもテレビ出演時、お話しましたが、TPPで安く購入できるものの最終的には消費者が判断。皆さんが思っている以上に生産者の方は海外の輸入品を危惧しています。逆に言えば、それだけ日本の農家は品質を含め安全性も確保してきたといえるのでしょう。

 

次世代農業経営者

今回のTPP11で次世代には農業を継がせられないとの意見が多く。これはとも関係していますね。地方など企業が無いところは農業が基盤に。いくら地方創生と声を張り上げても、現実は厳しいの一言に尽きます。

 

農協の役割

以前、テレビ番組関係者から以外に多かった質問。当ブログにも記載してきました。金融事業も大事ですがやはり「農家のための農協」から離れることなかれ。多くの農業経営者さんともお話しますが農業者を大事にしてほしいです。約650農協ありますが統廃合は進むにしても地域のコミュニティの場。各農協の経営の自由度を高め、農家の皆さんのために尽力。

 

所得の格差

2019年10月に消費増税10%。飲食料品に軽減税率8%ありますが。TPP11発効で安い輸入品が多く入ってくることにより、国産の農産品を買いたくても、購入できない可能性も。

TPPに対する当事務所 農家の声

3年前アンケートを再掲。

農業経営者の皆さんからは「厳しい」との一言。この言葉に集約。

 

国の政策はこれでよかったのか、日本の農業の現場をどの程度理解しているのか?

日本人の主食の米、輸入枠新設だけでなく、日本の米こそ海外に義務づけろ

生産するよりもスーパーでおコメを買ったほうが安上がり

頑張っている小規模農家をつぶす政策はやめて

高所得者は値段の高い農産品購入できるが、低所得者は輸入品に依存

農業経営の先が見えないし、結局は弱いところにしわ寄せがくる

耕作放棄地が身近に増えてきて、自分の畑に害虫が来て迷惑、困っている

TPPの発効で輸出とか言うものの、そこまで生き残れるのか不安

高額な農業機械のローンが残って、投資しても見返りがない

現状では、子供には継がせたいとは思わない

安全性の問題

年々気候変動に左右され、収量が安定しないなど

米国を除くTPP11が発効

 

【出所】内閣官房HPより抜粋

関税撤廃・削減で消費者恩恵へ

 

【出所】朝日新聞

参加希望国続々

タイ、韓国、台湾、インドネシア、コロンビア、EU離脱する英国などTPP参加に関心。

今後のポイント

TPP離脱の米国は、2019年1月の日米物品貿易協定(TAG)で日本農業の市場開放をどこまで求めるか。

 

米中貿易摩擦。中国はトランプ米政権に対し農産品に高関税をかける報復措置。今後、農産物輸入を増やすように日本との2国間交渉に本腰をいれてくるでしょう。中国問題及びTPPの恩恵を受けられないとして米国農業団体の声をどこまで反映させるのか。

 

TPP11発効に関係なく日本農業はどこまで成長できるか。

 

TPP11発効の有無に関わらず、国内農業強化が大事。農家は高齢化による離農者が増加。当事務所が次世代農業経営者に力を注ぐ意味がわかるでしょう。2019年2月に日欧EPA発効も考えると皆さんが思っている以上に衝撃的。

まとめ

トランプ保護主義で自由貿易の重要性はあるも日本農業だけを切り取ると環境は厳しく。当事務所に農業経営者向けセミナー依頼も多々。さらに一丸となり農業強化の必要性を実感。

 

関税の高い牛肉は38.5%が16年目9%になるので、以前TV出演した際、お得感大でどの番組でも取り上げていたのが印象的。

 

2019年10月は消費税率10%。軽減税率8%あるもTPP11発効されると関税撤廃による消費者恩恵VS消費増税が話題になりそうですね。

 

独り言

2015年10月5日大筋合意では、農産物の関税撤廃(撤廃率が約82%)の多さに驚愕。TV出演時、農業も完全競争時代に突入と発言したのが今でも鮮明に。TPP11発効で今以上に海外から多くの農産物が流入。

 

あれから3年余りの月日が流れたわけですが、日本農業強化の進捗状況は今一つ実感できない。

日本農業を取り巻く環境

農業産出額の減少(ピーク時は11.72兆円、直近9.3兆円)。

従事者の高齢化(平均年齢67歳)及び就農人口減少(直近175.3万人)。

耕作放棄地の増加(富山県の面積に匹敵)。

 

農業骨太試算で農業人口2050年には100万人程度、現在の半減で3割が85歳以上。

参考 TPP農業交渉結果

農林水産品で2594品目のうち2135品目で関税撤廃、関税撤廃率は約82%。

うち農産物重要5項目では594品目のうち170品目で関税撤廃、関税撤廃率は約29%。

TPP(環太平洋経済連携協定)とは?

TPPはモノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境等幅広い分野で21世紀型のルールを構築する経済連携協定。

TPP交渉の流れ

全てはトランプ米TPP離脱で修正をよぎなく、日本主導TPP11に。

 

2015年10月 日米など12か国TPP大筋合意
2016年2月 12か国TPP署名
2017年1月 トランプ米TPP離脱表明
2017年11月 日本主導11か国TPP11大筋合意
2018年3月8日 TPP11チリで署名
2018年4月24日 メキシコTPP11議会承認
2018年6月13日 日本TPP11国会承認
2018年6月29日 日本TPP11関連法国会承認
2018年12月30日 TPP11発効

事務所ご紹介!

通常業務に加え、次世代農業経営者セミナー、TPP等(TPP11含む日欧EPA)、知的財産、農業問題など幅広く対応しています。

 

【テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』にてコメント中の一コマ】

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農業経営、6次産業化、その他、詳細は応相談。

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